西暦前2世紀に書かれた『ガストロノミア』の著者は、アルケストラトス(英語:Archestratus ギリシャ語:Ἀρχέστρατος)である。アルケストラトスは、紀元前4世紀頃のシシリア島ジェーラ出身の古代ギリシャ詩人であり、地中海の美食を求めて漫遊し、長詩というかたちで『ガストロノミア』を著した。

 残念ながら、ミタイコスの料理書と同様、アルケストラトスの記した詩全文は失われてしまっていているので完全なかたちでは現存していない。

 どこでその著書を読めるかと言うと、またこれもミタイコスの料理書と同様に、アテナイオス(Athenaeus)の記した『食卓の賢人たち』デイプノソフィスタイ:Δειπνοσοφισται (英)The deipnosophists の中に、アルケストラトスの詩編『ガストロノミア』の62編が引用されているので、現代でも我々はその料理法を読むことが出来るようになっている。

 

 

 古代ギリシャでどのような食事が行われていたかを理解するのに多くの有益な情報が記されている。特に魚の入手場所、調理方法が書かれており、シンプルな料理方法が取られており、素材重視のレシピとなっている。

詳細に関してはアルケストラトスの項を参考にして頂きたい。

 アルケストラトスのレシピは、素材の持ち味を失わないシンプルな料理を真骨頂としている。例えばブダイの料理法として「脂ののった良質なものであれば、塩とオイルをふりかけるだけで良い」としてある。
 ミタイコスは、アカタチウオにチーズとオリーブオイルを振りかける料理のレシピ(唯一のこされたミタイコスのレシピ)を残したが、アルケストラトスはこの料理法をを拒絶している。これはあくまでも素材の良さを引き出す料理法を良しとするアルケストラトスの信念が現れている言及であると私は考えている。